ノロマでグズなへっぽこ社会人を脱するために『ゼロ秒思考』を読んでみた
はじめに
皆さん、思考や決断のスピードは速いほうでしょうか?
また、思考を言語化することは得意でしょうか?
自分はとても思考や決断が遅いです。本当に遅いです。
報・連・相をする決断が遅れて事態が悪化したことも何度もあります。
思考の言語化も苦手です。
「君、何が言いたいの?」としょっちゅう言われます。
そんなできない自分へのストレスから現在はうつ状態で休職してしまっています。
今回はそんな状態を打開すべく、赤羽雄二さんの『ゼロ秒思考』を読んでみました。
学んだことと感想
ほとんどの人は考えているようで考えていない
「考えている」というと、頭を悩ませながら長時間ウンウン唸っている光景を思い浮かべるかもしれません。
しかし、著者によるとあれは「考えが浅く」「同じ考えを堂々巡りで繰り返してしまっている」だけだそうです。
こういったことの原因は日本の学校教育にあります。
日本の学校教育は主に知識優先の教育で、考える訓練、効果的に考えをまとめる訓練がほとんどなされていません。
思い返してみれば日本の授業ではディベートのような場で自分の意見をはっきり述べることは少なく、数学の公式や歴史上で起こったことの名前、年代をきちんと覚えているかということが重視されていますよね。
赤羽さんによると考えをどんどん深めていくこと、選択肢をあげ尽くし、それを評価して優先順位をつけることなどはウェイトトレーニングやストレッチと同じで鍛えれば鍛えるほど力がつくそうです。
逆に言えば、やらなけえば衰えていく一方だということです。
だから考える力を伸ばしたいという人は積極的にトレーニングに取り組む必要があるのです。
トレーニングを続けていけば、この本のタイトルでもある「ゼロ秒思考」にどんどん近づいていくことになります。
この問題は芳沢光雄さんの著書『数学的思考法』でも述べられています。
この本は数学に関するイメージがガラリと変わるので一読の価値ありです、是非読んでみてください。
自分も折を見て、読み直してみようと思います。
どうやってゼロ秒思考に至るのか?
ゼロ秒思考に至るためのトレーニング方法ですが、すごくシンプルです。
- まずA4用紙(ノートでも日記帳でもパソコンでもなくA4の裏紙)を横置きにし、左上にタイトルを書いて下線を引く。
- 右上にメモを書く日付を書く。
- タイトルに関することを1行20〜30文字で4〜6行書く。
上記の1〜3を1分以内で書き、それを毎日10枚書きます。
これだけです。
「でも何について書けばいいかわからない。」という人もたくさんいると思います。
まずタイトル(テーマ)に関してですが、率直にいうと何でもいいです。
思いついたこと、気になること、疑問点、次にやるべきこと、自分の成長課題、腹が立って許せないこと等々。
同じテーマを何日も書くのもOKです。何度も書いていくうちに考えが洗練されていきます。
また、一つのテーマについてどんどん深堀りしたり多面的に書くのもいいやり方です。
もしタイトルが思いつくか不安な場合は書籍を購入してください。400以上のメモ用のタイトルが挙げられているのでまずはそこから選んでいくといいです。
次にメモの本文部分ですが、こちらも何でもいいです。頭に思い浮かんだこと、感じたことをひたすら書いていきます。順番や構成は考える必要がありません。
なるべく具体的に書いていくことがコツです。
あと大事なこととして、書くタイミングがあります。
書くタイミングは10枚まとめて書く時間を設けるのではなく、思いついた瞬間に書きます。
何か思いついてもメモするのを後回しにしてしまうと、思いついたことを忘れてしまうからです。
また、思いついたその瞬間に書き留めることで頭の働きをよくし、発想をさらに刺激する狙いもあります。
メモ書きの効能
書籍内では以下が挙げられています。
- もやもやした思い、懸案事項、考えが整理され、頭の回転が良くなる
- なんとなく考えていたこと、なんとなくできていたこと、すなわち「暗黙知」がはっきりと形になる。すなわち「形式知」化する
- 悩みが減る
- 自信が出てポジティブになる
- 腹が立たなくなる
- 急成長できる
1、2、6あたりはわかりやすいと思います。
でも3〜5のメンタル面の効果は「本当に?」「メモ書きでメンタル面の問題が改善できるの?」とならないでしょうか?
少なくとも自分はそうでした。
今回書籍を購入した理由の1つでもあります。
実際に読んでみた結果どうだったかというと、なるほどと思いました。
なぜA4メモ書きでメンタル面の問題が改善されるのか?
A4メモ書きではとにかく思いついたことをどんどん書いていきます。
誰かに見せるものではないので、愚痴や気に入らないことや人物名も具体的に書いていきます。
こうすることで友人や同僚に愚痴をこぼすのと同じことをしていると言えます。
しかも友人や同僚に愚痴をこぼす場合と比べて、可視化できます。
さらにメモを見るのは自分だけなのでよりおおっぴらに、他人の目を気にせず吐き出すことができます。
これは自分のような他人に愚痴をこぼすことができず内側に溜め込んでしまうような人にとって見逃すことのできないメリットです。
人間の頭と心は密接に関係していて、心が乱れると頭がうまく働きません。
上記のようにして心の中の不満やストレス、もやもやを吐き出していくことで、思考が整理されていきます。
すると物事の優先順位もわかってくるのです。
最初はできない人もいる、けど段々できるようになる
最初A4メモ書きを始めると、1分以内どころか2分以上かかってしまったり、文章が10文字程度で終わってしまったり、2行しか書けなかったりする人がいます。
自分もその一人です。
一番最初にA4メモ書きをやろうとした時は、これが原因で続かずに挫折し、3日坊主で終わってしまいました。そしてやる前よりも自信をなくしてしまっていました。
しかし書籍を読み、はじめはうまくいかない人が他にもいるとわかると、安心したと同時にはじめはダメでも続けてみようという気になれました。
何事もはじめからうまくできる人はほんの一握りだけです。
諦めず、根気強く、粛々とA4メモ書きを継続していきましょう。
メモの具体例
具体例を出すために自分の書いたメモを晒します。
書籍を読む前に書いたメモ
下記リンクの提示した内容に記載してあります。
書籍を読んだ後に書いたメモ
上から順に1枚目、2枚目、3枚目…と続いていきます。
- ゼロ秒思考を読んで感じたこと
- 思考の言語化は練習の積み重ねが大事
- 継続が大事
- まだできるか不安
- 思考の言語化は日々の練習が大事
- 訓練していない状態だと頭が固くなってしまっている
- ウェートトレーニングや柔軟体操と同じ
- 感情が思考を邪魔している。
- なぜゼロ秒思考がいいのか?
- 感情が整理される
- 論理的思考が身につく
- 問題を解決する力が身につく
- ゼロ秒思考をするタイミング
- 頭に考えが浮かんだ瞬間に書く。
- 人との会談時は話していると同時に書く。
- ゼロ秒思考を読んだ目的は?
- ゼロ秒思考の方法だけでなく理屈も知ること。
- A4メモ書きの方法を具体的に知ること。
- ブログには書かれていない情報を得ること。
- 自信をつけるためにはどうすればいいか?
- 小さな成功体験を繰り返す。
- スキルを身につける。
- 回数をこなす。
- 実践の場を増やす。
- 自分のダメなところ
- 喋りが下手なところ
- 消極的なところ
- 仕事の遅いところ
- 目の前の仕事で一杯一杯になってしまうところ
- なぜ目の前の仕事で一杯一杯になってしまうのか?
- やることが整理できていないから。
- 時間の見積もりができていないから。
- 優先順位がつけられていないから。
- 思考スピードが遅いから。
- 自分はどういうとき元気が出ないのか?
- 失敗して相手の期待を裏切ったとき。
- 自分の思い通りに物事が進まなかったとき。
- 相手を怒らせてしまったとき。
- 相手を悲しませてしまったとき。
方法だけ知っていてもダメ、方法の背景にある根拠や理屈を知る必要がある
自分は書籍を読む前にA4メモ書きの方法はブログで読んで知っていました。
「お、これいいじゃん」と思い、何枚かメモを書きました。
しかしいまひとつ効果が出ず、続きませんでした。
自分はこの続かなかった原因が、方法の背景にある根拠や理屈を知らなかったからだと考えています。
例えば、ウェイトトレーニングやストレッチでは自分が今どの筋肉を使っているのか、伸ばしているのかを意識した方が高い効果が出ます。
また理屈や根拠を知らずにただ闇雲にトレーニングしても効果は出にくいです。
それと同じで、理屈や根拠をしっかりと理解した上でA4メモ書きのような方法を利用しないと、効果が出にくいのだと思います。
もっと広まってほしい「A4メモ書き」
今回紹介した「A4メモ書き」ですが、自分はもっともっと世間に広まっていってほしいと思っています。特に学校教育や社員教育、うつ治療。
その理由は2つあります。
1つは日本人の苦手な論理的思考力、考える力を身につけることができるからという点。
スターバックスやディズニー、ソニックガーデン、未来工業の社員・スタッフのように自分で考えて行動できる人材を増やすことができると考えるからです。
もう1つA4メモ書きの普及が自殺やうつ状態の人の数を減らすことにつながると考えるからです。
先にA4メモ書きをすることでメンタル面の問題が改善されると書きましたが、これは自殺やうつに至るのを未然に防ぐ効果が期待できると思います。
うつの場合は、防止以外にも既になってしまった人の治療にも使えるのではないかと考えます。
自分ももっと早くA4メモ書きを知っていればうつにならずに済んだのかなぁと思います。
まとめ
思考の言語化や思考スピードを向上させるツールは世の中に数多あります。
A4メモ書きはそのうちの1つにすぎません。
しかしA4メモ書きほど単純でとっつきやすい方法はなかなかないと思います。
自分はまだ始めたばかりなので効果を実感する段階まではまだいっていませんが、何事も継続することが大事なので、今後も毎日A4メモ書きを継続することで、思考の言語化能力や思考スピード、問題解決力の向上に努めたいと思います。
効果が実感でき始めたら改めて記事を書こうと思います。
また自分の力不足や時間的制約からこの記事では書ききれなかったことも多々あります。
思考スピードを上げたい、論理的思考力を上げたい、鬱蒼とした気持ちを払拭したいなどと思われた方は、是非書籍を購入して読んでみてください。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
何かご意見・ご感想あればコメントもらえるとありがたいです。
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『ゼロ秒思考』と同じく赤羽雄二さんの著書の『アクションリーディング』の記事です。
読書をいかに行動につなげていくかが書かれています。
読書をしてもその内容が身につかない、人に説明できないという人は是非一度読んでみてください。